猫ヤナギ芽ぶく(続 からくりからくさ)@連載中

2024年9月27日

小説

ねこやなぎめぶく



「波」新潮社
2022年4月号~連載(隔月―偶数月号)
🆙第16回 2024年10月号
📝これまでミケル中心のストーリーでしたが、紀久のサブストーリーが進展してきたので、内容を修正していきます。


ミケルのフィンランド滞在記

四人での共同生活から二十五年、紀久はミケルを養女にして、東北のある美術系大学の准教授として赴任していた。ミケルは実母のマーガレット、紀久、与希子、蓉子たち四人に育てられた。大学では社会福祉学を専攻し、研修で北欧フィンランドに行っている。与希子もフィンランドでテキスタイルの仕事に携わるので、ミケルの週末家族になっている。

💬物語の舞台が北欧フィンランドなのは「この庭に」の雪の情景を思い起こさせます。


トウヒの木@「写真AC」


👩ミケルから見た四人
与希子さんは楽しいひとだった、昔から。
蓉子さんといると落ち着く、どんなときでも。
マーガレットはいつも重さを深みに変えようとして必死になっている。だから、あまり邪魔したらいけない気がしてた。
紀久さんはね、いつも、自分が帰っていくところ、って感じで。



セイヨウイラクサ(ネトル)@「写真AC」


📝あらすじ(メモ)
🔽東北編(推定・秋田県周辺)/紀久(1~3、6、9、15~16)
紀久は仕事の傍らでグループホームの「傾聴」ボランティアをしていて、滝子の話を聞く。「傾聴」とは、相手の話すことに積極的な関心を持って耳を傾けること。滝子の母親の話を詳しく聞くために姉の八千代を訪ねた。
紀久は母校の大学から教授ポストを打診されており、引き受ける意向でいる。同じ宿舎に住む多美子には出ていく可能性を打ち明ける。
紀久は八千代から読んでほしいとお願いされた古い原稿用紙を預かり、入院中の滝子のお見舞いに同行する。多美子の娘でミケルと同い年の蓮子から仕事の相談を受ける。
原稿用紙は八千代と滝子の母親である高橋カヨの教え子の佐々木苗子が書いた、幼なじみのチエ、タエ姉妹の消息についての書簡だった。

🔽フィンランド編/ミケル、与希子(4~14)
ミケルは研修先のフィンランドへ渡り、タンペレに住む与希子のもとを訪ねる。週日はヘルシンキの下宿で生活する予定になっていて、下宿先である与希子の同僚トッピの伯母リッリを紹介される。リッリは認知症が懸念されていた。
ミケルの研修が始まる。リッリは週2日デイケアに通うようになり、朝の起床に難儀していた。
ミケルは訪問ホームサービスでレオという一人暮らしの老人の家に同行する。イラクサから繊維を取り、梳いて紡いで糸を作りたいという訴えを聞いて、与希子に相談した際に、昔読んだアンデルセンの童話『野のハクチョウ』の話をされる。
レオの希望を叶えるには島からイラクサを運搬する問題があったが、与希子からとある解決策を提案される。ミケルは『野のハクチョウ』に持つ違和感を紀久と与希子に話す。
ミケルは急遽デイケアセンターの手伝いをすることになった。慣れないことに戸惑いながらも何とかやり遂げ、一日中フィンランド語で通したことで満足感を得る。
ミケルはレオに、博物館に島にある織機を引き取らせてもらえたら、イラクサを運ぶことが出来るかもしれないと提案するが、織機は構造上の問題があり、取り外すことが難しいと分かり、現地を確認する必要が出てきた。
イースターが近づく日曜日、ミケルはリッリやトッピたちとフィーカを楽しんでいた。そこに突然魔女が現れて、ミケルは驚く。
ミケルはトゥルク沖の小島にある織機の調査に向かうスタッフのユリアとリクに同行し、レオと同郷のタウノに案内してもらう。
レオに小島への訪問調査を報告し、織機の移築方法などを提案する。



イースターの魔女@「イラストAC」


🔖キーワード
「重さ」と「深さ」
東北の刺し子の図案と北欧に残る手工芸の図案との共通性
「上から目線」
ミケルについてのあれこれ
「記憶の病」(認知症)
「憤激」
『野のハクチョウ』アンデルセン(📘青空文庫
ミケルの「しゃべり」
「カラスはカラスの声で歌う」(諺)
「この次元以外の感覚」
倭姫命(やまとひめのみこと)の機殿
イースターの魔女とネコヤナギ
ミケルの「コミュニケーション能力」
木に対する感度、センスィティヴィティ
木の人格
腹を抱えて笑う

蓮子から見たミケル
めめんこ(ネコヤナギ)
慰安婦



ムンッキ@「写真AC」

🍩フード&ドリンク
乾燥蓬
三杯みそ……秋田県の郷土菓子
プーロ……オートミールのミルク粥みたいなもの
ムンッキ……ドーナツのようなもの
フィーカ(スウェーデン語)、カハヴィタウコ(フィンランド語)……コーヒータイム
ルタバガ……大きなカブの種類
ラフカプッラ……イースターの菓子パン
マンミ……イースターの食べ物
ライスボール……おにぎり


🗺️拠点……ヘルシンキ、タンペレ、トゥルク




からくりからくさ/りかさん

「からくりからくさ」(1999年刊)をメインに「りかさん」「ミケルの庭」「この庭に 黒いミンクの話」などを構成する作品シリーズ
『猫ヤナギ芽ぶく』はこれらの続編にあたり、『からくりからくさ』を読んでいると物語の背景を理解しやすい。


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