ほんとうのリーダーのみつけかた

2023年11月22日

講演



📱電子書籍(増補版―岩波現代文庫版):岩波書店(2023年11月22日配信)
文庫本(増補版):岩波書店(2022年5月13日発行)
📱電子書籍:岩波書店(2020年8月10日配信)※販売終了
単行本:岩波書店(2020年7月10日発行)

世界はもっと、寛容でありうるはず

『僕は、そして僕たちはどう生きるか』(岩波現代文庫)の刊行を記念して、2015年4月4日、ジュンク堂書店池袋本店において20歳までの方を対象に行われた梨木さんのトークセッション「「どう生きるか」をどう生きるか」でのお話に、加筆・訂正を行った講演録+エッセイ
✅文庫本(増補版)は「引っ掛かる力、そして新しいXさんの出現を」を加筆


ほんとうのリーダーのみつけかた

初出:Web岩波「たねをまく」岩波書店(2020年5月8日配信)
✅リンクは削除されましたが、電子版は現在も閲覧可能のようです。

群れというもの
 テレビの実験─同調圧力
 「みんなちがって、みんないい」の重み
 日本語について
あなたのなかのリーダー
 群れの一員としての幸せ
 ヘレン・ケラーがたたんだナプキンのこと
 あなたの、ほんとうのリーダー
チーム・自分
 鶴見俊輔さんのお話から
 あるテニスの試合で起こったこと
 敗者であることの奥深さ

🔗作品との関連
「あるテニスの試合で起こったこと」については、『私たちの星で』所収「共感の水脈へ」でも触れられている。


今、『君たちはどう生きるか』の周辺で

初出:「図書」2018年5月号 岩波書店
エッセイ


この年月、日本人が置き去りにしてきたもの

初出:「図書」2015年10月号 岩波書店
エッセイ


引っ掛かる力、そして新しいXさんの出現を

―『村八分の記』(石川さつき著)を読む―
 ことの発端
 その二年前に起きた事件
 朝日新聞静岡支局への投書、村人からの村八分
 朝日新聞本社への投書、その全国的な反響の大きさ
 村の同級生、Bさんの立場と意見
 「細胞」の生き方
 六十三年後
 「引っ掛かる」力
 いつか、新しい「Xさん」の出現が

書き下ろし
エッセイ
✅文庫本(増補版)に収録


文庫本あとがき


文庫本解説

若松英輔





 私はこのイベントに参加できた一人です。20歳までという年齢制限で諦めていたところ、追加募集があり、会話に立ち会う大人という立ち位置で申し込むことができました。参加人数は40名ほど、そのうち対象となる10代の若年層は少なく、それ以上に見える年齢層の方が多かったと記憶しています。サイン会もありましたが20歳までの限定でした。内容的には難しかったと思いますが、自著や他著の朗読を混じえながら語りかけ、中高生たちに優しい眼差しを向ける梨木さんが印象的でした。

 5年前のことなので詳細は覚えてませんが、当時のメモ書きから名称等を補足して断片的に書き出しました。書籍は実際のお話より加筆されていますが、削除されている部分もあります。


2015年4月4日(土)15:00~
ジュンク堂書店池袋本店

テーマ 「どう生きるか」をどう生きるか
日本の社会が急速に変化している今、大勢に流されることなく、物事を自分自身で考え続けて生きていくことの大切さについて語り合う。

司会 岩波書店/藤田さん(理論社/岸井さん立ち会い)

梨木香歩さんの紹介

テレビで見たことの話
AとBのどっちが長いか答えさせる
一人を除いて、同じ回答

同調圧力 同じ性質になるように圧力をかける。
群れはまとまろう、まとまろうとする。

「わたしと小鳥とすずと」金子みすゞ

『不思議な羅針盤』所収「どんぐりとカラスと暗闇」より
梵鐘の話(宮本常一)

犬の話
シーザー・ミラン(ドッグトレーナー)
群れのリーダー

与那国島で馬を飼っている友人(河田桟さん)の話
『馬語手帖』に次いで、新しい本(『はしっこに、馬といる』)を出した。
馬と対等の立場でいられないか考えてきた。

群れをはずれて生きること

ヘレン・ケラー 三重苦
ナフキンを畳んだ話
群れの中で生きるマナー

ショウコのように一匹狼でやっていけない。
自分が本当に入りたい群れ
自己嫌悪、仕方がない。

ため息をついている
あなたの味方
本当のリーダー
自分の中に埋もれているリーダーを掘り起こす。
ひとつの群れにさせてしまう。
個人が集まった群れ

欧米は神と契約

自分の中のリーダーを掘り起こすにはどうしたらいいか
哲学家、鶴見俊輔の話
京都の喫茶店Aさん
初年兵の訓練で中国人を銃剣で刺すことをやらなかった。
ここまではする。でも、それ以上はしない。それ以上はしてはいけない。魂の声

自分自身で考える

「ミセス」エッセイから
(『やがて満ちてくる光の』所収「遠くにかがやく 近くでささやく」)
オーストラリア・シドニーの人質立てこもり事件
ムスリムの人たちにTwitterのリツイートが広がった。

バーバラ・リー 9.11 イラク戦争決議反対
ベトナム戦争決議反対
ジャネット・ランキン 真珠湾決議反対
日本でもテロ決議に反対した人

自分で考えるには材料が必要
情報

ATPツアーファイナル ジョコビッチ×錦織
ジョコビッチの振る舞いの報道
日本の新聞と外国メディアの違い

与えられる情報
えっ、と思ったことを大切にしましょう。
すぐに反応することがいいかどうかわかりません。

師岡カリーマ・エルサムニーさんの話
エジプトと日本

トライアル、挑戦そのものがあなたの人生です。

(締めくくりの朗読)
生物は、我が身に降りかかった危機的な状況を、どうにも避けられないものとしながら同時に「チャンス」のようにも捉えて、もっと創造的に、また内省的にも、自らを「変えていく」可能性を持っているように感じられ、それは単に「以前と同じ機能を回復する」というだけでは語れない、「変わっていく」過程のように思える。敬虔な思いに満たされる。
『不思議な羅針盤』所収「変えていく、変わっていく」より

QooQ